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「舌下免疫療法」治療中の方へのアンケート   2016年 09月 23日

かねてから予告しておりました通り、この度行いました舌下療法についてのアンケート結果をお知らせいたします。結果発表は6月頃、とお約束していたのが、延び延びになってしまい、申し訳ありません。言い訳になりますが、5月に1か月間かけたアンケートの質問内容以外にもお聞きしてみたいことができたため、さらに1か月かけて追加アンケートを実施した結果、発表が遅れてしまいました。重ねてお詫びいたします。

では、アンケートの内容と結果を見ていきましょう。ご協力いただきましたのは、現在当院で舌下免疫治療を受けている方で、平成27年12月までに開始した40名のみなさんです。

<アンケート内容と結果>
問1:今シーズンの症状はいかがでしたか?

①例年と変わりなし:4名(10%)②少し良かった:8名(20%) ③かなり良かった:17名(43%) ④ほとんど出なかった:11名(27%)

実に90%の方が舌下免疫療法の効果を実感されており、70%の方が「かなり良かった」か、より以上の効果を感じていたようです。ただし、今年の花粉の飛散量が少なかったのもこの結果には一役買っているかもしれません。また、「例年と変わりなし」の方は4名中3名が平成27年8月以降に開始していて、服用してまだ日が浅かったことも付け加えておきます。

問2:効果は期待通りでしたか?

①期待外れ:5名(13%) ②期待ほどではないが効果あり:13名(43%) ③期待通り:20名(50%) ④期待以上:2名(5%)

「期待外れ」だったのは、初めて間もなくの方+αの人数で、当初「効果がない方も20%程度はいるだろう」という予想を下回る数字ですので、問1同様、治療の効果を実感している方は期待以上に多い、ということでしょう。

問3:今後も続けたいですか?

①続けたい:40名(100%) ②続けたくない:0名

これまで続けてきたのを無駄にしない、という気持ちでしょうか「もう面倒だからやめる」という方は1人もおらず、まだまだ皆さんモチベーションは高いようです。

問4:問3で①の方は、今後どのくらい継続できそうですか?

①6か月:3名(8%) ②1年:4名(10%) ③1年半:3名(8%) ④2年:12名(30%) ⑤2年またはそれ以上:18名(45%)

ここではわずかに「長く続けるのはしんどい」という気持ちが垣間見えます。舌下免疫療法の効果が確立するまでは3年以上の継続が必要と言われていますので、最も早く=平成26年の10月に始めた方でも平成29年の9月までは続ける必要があります。あと半年ですとまだ3年には満たないのですが、「効果が出たら早く終えて解放されたい」と願うのは、自分も治療を受ける側としての立場で考えると、ごく当然の心理だと思います。


問5と問6は追加質問です。ご回答いただけなかった方もいるので、母集団は37名になります。

問5:今まで飲み忘れはどの程度ありましたか?
①全くなし:15名(38%) ②今までで数回だけ:12名(30%) ③月に1回程度:3名(8%) ④月に数回:4名(10%) ⑤週に1回:2名(5%)
⑥週に2回またはそれ以上:1名(3%)

驚くべきは①と②を合わせると70%近くに達するということです。みなさん、素晴らしい意思の強さですね。私は⑤ですので、最も成績の悪い部類に入ります。そして⑥の方が、このペースのままで服用開始から3年後にどの程度効果が出ているかも、今後注目したいと思います。

問6:いつ服用していますか?
①起床時:17名(42%) ②朝食前:10名(25%) ③朝食後:4名(10%) ④日中1名(3%) ⑤就寝時:3名(8%) ⑥不規則:2名(5%)

この様に朝が圧倒的に多いようです。シダトレンは「服用後5分は飲食禁止」「服用の前後2時間は、飲酒、入浴、激しい運動は禁止」という条件がありますので、それを満たすのは、夜よりも朝が良いのでしょう。

合わせて、飲み忘れのない方たちがいつ服用されているのかも分析してみました。

問5で①飲み忘れ全くなしの方15名の内訳は
起床時:9名、朝食前:5名、就寝前:1名、
②飲み忘れ今まで数回だけの方12名の内訳は
起床時:6名、朝食前3名、朝食後1名、就寝時1名、不規則1名、でした。

これから始められる方で、飲み忘れをなくすのに参考になるかもしれないと思ったのですが、私の予想に反して必ずしも「朝が良い」という訳ではないようです。それぞれみなさん工夫をされて、生活のリズムに上手に組み込んでいる人ほど忘れずに服用しておられるようです。


<まとめ>
今回のアンケートで分かったことは
①舌下免疫療法は、今のところ期待通りの効果が出ていること
②みなさん大変強い意志をもって服用を続けられていること
と言えると思います。

あまり科学的な分析ではありませんでしたが、治療中の方、また治療を始めようと考えておられる方の参考に少しでもなれば幸いです。同様のアンケートで来年も追跡調査を行う予定ですし、鳥居薬品や医療機関からもっと大規模な調査の結果が出ましたら、こちらでもご紹介したいと思います。

・当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記2→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3→(クリックでリンク)

「舌下免疫療法」その後と体験記4→(クリックでリンク)


by keye-clinic | 2016-09-23 09:13 | 花粉症と舌下免疫療法

2016年花粉症日記(「舌下免疫療法」体験記6)   2016年 04月 23日

2月15日(月) 週末暖かくなって、花粉症の症状を感じ始めた方がぼちぼち増えてきました。都内でもスギ花粉の飛散始まるとのニュースが。今年は早いといわれていた花粉の飛散時期でしたが、ほぼ例年並みのスタート。

2月19日(土) 今週は寒さがぶり返したせいか、週末になっても花粉症の患者さんは思いのほか増えていません。今日も雨模様で花粉が舞わないため、花粉症の方にとってはうれしい週末です。

2月27日(土) 今日は天気が良かったので、私自身が屋外でしばらくの間、活動する機会がありました。その時、油断してマスクもゴーグルもしなかったところ、夕方にはさすがに症状が悪化しました。なぜ油断したかというと、今までになく花粉症の症状が軽く、開始1年半を迎えた「舌下免疫療法」の効果を実感しているように思ったからで、効果のほどをさらに試してみたいという気持ちもあったからです。「症状が悪化した」といっても、目の異物感少々とくしゃみ3連発、鼻を数回かんだくらいで、夜にはスッキリ、鼻が詰まって眠れないなどの症状はありませんでした。これは…効いているかも、です。

2月29日(月) 今日はうるう日。週末天気が良かったせいか、本日ご来院の方の半分くらいは花粉症の方でした。そんな中でも目立つのは、花粉症の子供の低年齢化。当院に受診して花粉症と思われる症状のお子さんの最年少はなんと2歳0か月!3歳過ぎのお子さんなどは当たり前のように何人も花粉症の症状で受診されます。スギ花粉に触れることでその体質を獲得する花粉症ですので、まったく早すぎる印象ですが、それが現実です。特にご自分が花粉症ではない親御さんは、花粉症を比較的軽視しており、お子さんの症状がひどくなっている可哀想なケースが見受けられます。当院のホームページ「花粉症対策について」→http://www.k-eye.jp/kahun/index.html(クリックでリンク)を参考に、薬だけに頼らずご家庭でもぜひ対処する工夫をしていただきたいと思います。

3月2日(水) 週明けから連日大勢の方が来院されていて、花粉症の本格化を実感します。それでも患者様各自を診察すると、充血やまぶたの裏の腫れなど、自覚症状のわりには所見は悪くなっていません。そのため例年よりもやや弱いお薬でも対処できる方が多いように思われます。実は今年の花粉の勢いは、例年より弱いのでは…。そうすると、私が感じている「舌下免疫療法」の効果も、実は花粉が少ないから…?

3月5日(土) 普段この時期は車で通勤(花粉から身を守るシェルター替わりです)の私ですが、訳あって今日はバス&電車通勤。マスクはしているものの、またも色気を出して?例年なら必ずするゴーグルをせずに、どの程度症状が悪化するか試してみました。その結果、特に症状を感じることなくクリニックに無事に到着しました。それでも、付着した花粉によるものか顔は何となくかゆくなったので、洗面所で洗顔だけはして診察に臨みました。やっぱり「舌下免疫療法」効いている様子です!

3月7日(月) 本日は大雨。にもかかわらず、大勢の方がご来院されました。夜遅くに帰宅する際に、ビルのエレベーターで当院隣のおおくぼ総合内科クリニックの大久保辰雄院長にお会いしたところ、先生も花粉用のゴーグルをかけておられました。「今年は目の症状がひどいんですよ」とのことでしたので、ぜひ「舌下免疫療法」を受けられるようお勧めしました(笑)。

3月12日(土) 住まいの近所の仲良し家族と連れ立って、「神奈川県立・生命の星、地球博物館」に子供連れで行ってまいりました。小田原といいつつほぼ箱根に位置するこの博物館にこの時期行くということは、スギの密林に自ら足を踏み入れるということです。例えるなら、幾千もの敵が待ち構える場所に自分一騎で切り込みをかける武士さながらの無謀な行動ですが、「舌下免疫療法」という心強い味方を得た私が試みてみたい戦術の一つでもありました。奇しくもこの博物館がある場所は、かつて一夜城を築いた豊臣氏と小田原城の北条氏が対峙した戦場だったところ。博物館の展示もすばらしかったですが、予想通り駐車場の周りには見渡す限り、黄色く色づいた花粉をたたえたスギの林が…。こちらも「舌下免疫療法」が後ろ盾にいますから、強気にゴーグルなし(マスクはしておりました)で臨んだところ…さほど目の症状、鼻の症状とも現れず、無事に温泉にも入って帰ってまいりました。ここにきて、益々「舌下免疫療法」の効果を確信するにいたっています。

3月14日(月) 花粉症の時期になってから、月曜日のたびに雨が降ります。今日も大雨。その影響か、さほど花粉症の患者様が増えることなく、平穏に1日が終わりました。明日は晴れの予報。花粉症のさらなる本格化は明日以降から?

3月16日(水) やはり予想通り、昨日より晴れて気温も高くなったので、症状がひどくなって来院される患者様が増えました。「今までそうでもなかったから受診しなかった」という方も多く見受けられました。3月も後半になって、花粉症が本格化する兆しなのでしょうか、それとも今年はこのまま終息するのでしょうか…。そうなると、「舌下免疫療法」の効果の正確な評価も難しい…。気になるところです。

3月22日(火) 連休明けの平日。例年なら休日に外出して症状が悪化してしまった方の受診が増える日なので、今日我々は気合を入れて準備をしておりました。ところが、受診される患者様はさほど増えることなく普段の平日と変わらないくらいで、ちょっと肩透かし。病院に来る方が少ないということは、世の中平和だということ=花粉症で苦しむ患者様が少ないということですから、大変喜ばしいことなのですが、すると益々「舌下免疫療法」の効果の評価が難しくなり、私としてはちょっと悩ましいところです。

3月28日(月) 今日、院長室から川上北小学校越しに見える土手の桜が綺麗に咲き始めました。昨日、家の近くの公園で子供を遊ばせたときも、たくさんのふくよかな蕾のいくつかがほころんでおりました。春ですねぇ。でも花粉症の人にとって、例年まだまだ憂鬱なこの季節、花見どころではありません。私も花粉症になってまもなく、花見に出かけたことがありました。その頃はまだ花粉用ゴーグルやマスクなど世の中になかった頃でしたので、マスクから漏れる息で半分曇っている伊達メガネの私と、その頃は花粉症ではなかった結婚前の妻とが写っているさえない写真が今も残っていて、お互いそれを見ては笑っています。でも今年は様相が違うようです。私は昨日公園では暑くて花粉除けの上着もマスクも取って遊んでいましたが、なんと花粉症の症状はほとんどでませんでした。舌下免疫療法の効果でしょう。そして花粉の勢い自体ももうすでに弱まっているようで、受診される方も症状の軽い方が多い印象です。月曜日の度になど、良いタイミングで雨が降り(昨日から今朝も雨でした)、花粉が大量に飛ぶ前に流されているのかもしれません。みなさん、今年は久しぶりに、心からお花見が楽しめるかもしれませんよ。

4月6日(水) 昨日は小学校、今日と明日は中学と高校の入学式。満開の桜がみなさんを祝福しているようです。今年は予想通り、スギ花粉症は早々に終息してきているようで、みなさん無事にお花見も楽しまれたご様子。ところがここに来て、思わぬ逆襲を受けています。今日は花曇りでしたが風が強く、外から室内に入るとくしゃみが連発し、鼻水がたら~り(英語ではrunning noseといいます)、眼もかゆくなりました。その原因はどうも「ヒノキ花粉症」のようです。ヒノキの花粉はスギの花粉と非常に似通っており、スギに対してアレルギーのある方の約70%がヒノキにも反応すると言われています。ヒノキの花粉が飛ぶのは4月初めから5月下旬頃。今まさに始まっているのです。そして私にとっても残念なことですが、肝心の舌下免疫療法は「スギ花粉症」が対象なので、ヒノキには効果がない可能性があるのです。そのため、スギに遅れて飛んできたヒノキの花粉が原因で、今年あまり感じなかったくしゃみ、鼻水、目のかゆみが出ているようなのです。舌下免疫療法は似ているヒノキにも効果があるかも、と密かに期待していたのですが、どうやら期待外れかもしれません。今後の症状をもう少し様子をみて、またご報告したいと思います。

4月21日(金) シダトレンを継続して1年弱の方が、本日花粉症症状が再び悪くなって受診されました。3月中はほとんど症状がなかったのに、4月に入り鼻がムズムズし始め、ついにこの1週間ほどでひどい目のかゆみと充血、そして鼻水やくしゃみなどの鼻の症状も悪くなったとのことでした。そのうえ本日はオートバイで来院され、たっぷり風を顔に受けてきたので、症状は今年受診された花粉症の患者様の誰よりも悪いほどの状態でした。前回の日記で私が指摘したように、今回の悪化もヒノキ花粉の仕業でしょう。図らずも、患者さんの症状で「シダトレンはスギ花粉には有効だがヒノキの花粉には効果がない」可能性が示されました。もちろん全例がそうとは限りませんので、今後もシダトレンを服用している方全員の、慎重な経過観察を続けてまいります。

さて、本日シダトレンを製造している製薬メーカーである鳥居薬品の方が来院されて、「昨日スギ花粉の終息宣言が出されました」と教えてくださいました。そのため、2016年の「花粉症日記」は本日でひとまず終了といたします。今年の傾向としてはやはり「症状の軽い方が多かった」ということでしょう。中には「今年は目の症状がひどい」と訴える方も何名かおられましたが、例年より症状が悪くならずに済んでいる方が圧倒的に多かったです。さしずめ、例年通り蓄積されたスギ花粉でしたが、飛び出す直前にタイミングよく雨が降ることが多く、空気中に飛散する前に花粉が流されてしまった、といったところだったのではないかと予想しています。

スギ花粉が終息したことで、当院でも予定通り5月(連休明けからになりますが)より、舌下免疫療法の新規受付を開始いたします。治療をご希望の方は、下記ブログをお読みの上、ご来院ください。
→当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって」(クリックでリンク)

また、現在舌下免疫療法を受けておられる患者様に、今年の花粉症の時期を振り返って、効果はどうであったかアンケートを実施する予定です。結果がまとまりましたら、6月頃このブログで発表いたしますので、どうぞご覧ください。



by keye-clinic | 2016-04-23 21:52 | 花粉症と舌下免疫療法

今年の花粉症の傾向と対策&「舌下免疫療法」体験記5   2016年 02月 04日

先日、私が住んでいる地域の駅伝大会に出場しました。5人チームで、各自たった2kmのコースですが、マイペースで走れる東京マラソンなどと違って、タスキをつながなければいけませんのでそれなりに必死で走らなければいけません。走り終わった後は、力を出し切ったメンバー全員少し血の味がする咳がしばらくの間止まらず(全力で長距離を走ったことのある人は経験があると思います)、そして結果は…練習もろくにせずの出走だった私は、同じコースを別のチームで走った小学生の息子にタイムで負けてしまうなど、散々でした。

そして、その後1週間ほど、毎日なんとなく体がだるく、食欲もあまりなく寝つきも寝覚めも悪い日が続きました。インフルエンザか?いや、熱はなさそうだ。風邪?のどは痛くないし鼻水も出ないな。駅伝の疲れが残っているのかなぁ?筋肉痛は2日で解消したのに。いや待てよ、この感覚、身に覚えがあるぞ。この時期に…もしかして、これは…

花粉症の初期症状!

その証拠に、抗アレルギー剤を内服したところ、ほどなく体のだるさは解消したのでした。

花粉症の症状の典型例は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみや充血ですが、当院ホームページの「花粉症対策について」にもあるように、初期症状として体がだるい、熱っぽい、下痢をするなどの風邪に似た症状を起こすことがあり、私は毎年この症状が出ると、花粉症の治療を開始いたします。今回はおそらく駅伝で肺いっぱいに吸い込んだ空気に、飛散し始めた花粉が混入していて、さっそく体が反応したものと考えられます(そういえば当日は嵐のようなひどい風の日でした)。

今年は花粉の飛散開始が早く、飛散量は例年並み~やや少なめと予報されています。いつも2月の後半から3月頃に症状が出ている方でも、2月の半ば頃からは対策を始めるほうがよさそうです。目の症状対策の点眼、鼻の症状対策の内服のいわゆる抗アレルギー剤は、いずれも十分な効果を得るためには使い始めてから少し時間がかかります。また、症状が悪化してから開始してもすぐには効果が現れず、しばらく辛い思いをしなければいけません。症状が出ていなくても、時期が来たら早めに治療を開始する「初期療法」が有効です。

私自身、スギ花粉症の根治療法「舌下免疫療法」を初めて1年と4か月、今シーズンはそろそろ効果も出てくるのでは、と期待していただけに、例年と同じく初期症状を発症したことに、正直やや落胆しています。ですが効果が充分出るまで「3年」かかると言われている治療法ですので、その評価はこれからシーズンに入ってみないとわかりません。例年と比べ点眼や内服の使用頻度を減らせるなど、症状が軽くなっていれば効果が出ているということになります。今年はそうなることを期待し、内服や点眼は極力使わないようにしてみようと思っています。そしてシーズンを経て感じた効果の有無を引き続きレポートいたします。また、2年目に入り、他施設では(日本全体では)舌下免疫療法の実績(治療効果)はどうなのか、副作用の頻度と重症度はどうだったかなど、製造元の鳥居薬品がまとめるであろう統計も手に入りましたら、ぜひ公開したいと思います。花粉の飛散シーズンが終了し、5月の再開を待って治療を新規に始めようと思われている方は、次回のブログもぜひ参考になさってみてください。

さて、早くも息子に越えられてしまった情けない父親の私。これまで多忙を理由にまったくと言っていいほど運動をしてこなかった報いです。レース直後にはあまりのショックに、「寄る年波には勝てないんだ」と意気消沈しましたが、すぐに思い直し一念発起。今年は老いゆく体に喝を入れ、鍛えなおす決心をしたのでした。「アンチエイジング」元年!来年は息子にリベンジです。

・当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記2→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3→(クリックでリンク)

「舌下免疫療法」その後と体験記4→(クリックでリンク)



by keye-clinic | 2016-02-04 17:38 | 花粉症と舌下免疫療法

「舌下免疫療法」その後と体験記4   2015年 12月 06日

7月以降、ブログを更新できないまま、いつの間にか12月になってしまっておりました。患者様への情報発信を目的としたこのブログの意義を果たせませんでしたこと、大変申し訳ございませんでした。

実はブログが更新されない間も、着々と舌下免疫療法の新規希望の患者様は増えておりまして、12月5日の時点で当院で治療を受けておられる方は35名となりました。

10月からは新薬に適応される「1回の受診で2週間分」の処方制限も解除され、現在では1度に1か月分の処方が可能になりました。そのため、今まで2週間おきに必要だった受診も1か月おきになり、患者様の負担も軽減されましたので、新たに治療を開始継続するハードルも下がったのではないでしょうか(ただし、初回と2回目の処方に関しましては、副作用出現の有無を確認するため今も2週間分の処方になっています)。

治療を開始したのち、残念ながら治療を中断された方は今のところ2名で、お1人は通院されなくなってしまった方、もうお1人はシダトレンの副作用が疑われる体の湿疹が原因でドクターストップになってしまった方です。

それ以外の方々は順調に治療を続けておられるご様子で、目立った副作用もなく、飲み忘れなども私が思っていたよりずっと少ないようです。月末に我が家の冷蔵庫に残っているシダトレンの数を数えると、今まで積みあがった飲み忘れは、おそらく誰よりも私が一番多いのではないかと思うくらいです。

昨年10月の舌下免疫療法開始のころから始めておられる方は、治療を継続して丸1年になりました。今度のシーズンまでにはほぼ1年半続けていることになりますので、私も含めてそろそろ何らかの効果が出てくることを期待しています。日本気象協会から発表された来年の花粉の飛散量予想は例年並み~やや多いとのことでした。今年は花粉の飛散量が比較的少なかったので効果を判定するのがやや難しかったですが、来年はどうでしょうか。

なお、以前の記事(→クリックでリンク)にもありますように、舌下免疫療法の新規開始の受付は12月中旬で一旦休止いたします。今年は内服開始の予約受診日を12月15日で締め切らせていただきますので、今年のうちに開始をご希望の方は、予約が可能かまずはクリニックまでお問い合わせください。

・当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記2→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3→(クリックでリンク)

・今年の花粉症の傾向と対策&「舌下免疫療法」体験記5→(クリックでリンク)




by keye-clinic | 2015-12-06 17:51 | 花粉症と舌下免疫療法

「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3   2015年 07月 03日

スギ花粉シーズン中は見合わせておりました(理由はこちら→クリックでリンク <治療の注意点>をお読みください)舌下免疫療法の新規開始希望の患者様の受付を5月より再開いたしました。

これまで新たに9人の方が加わり、当院で治療を受けている方は21名となりました。今回新規の方の中には「親子4人全員」で始められたご家族もおられます。孤独に、そして地道に続けなければいけないこの治療ですが、ご家族でお互いに励ましあって続けることで、皆さん揃って3年後には花粉症の辛い症状から開放される、なんてことも期待できます。

一方、昨年10月からいち早く始めた12名の方々(私も含め)の続報もお知らせしましょう。

その中で、残念ながらここにきて継続来院されなくなった方が1名おられました。シダトレンは、現在では2週間おきに、必ず診察を受けなければ処方できないルールになっているのですが、その方は一度混んでいる時間帯にご来院され、すぐに診察を受けられないため「また来るから今日はいいや」と言い残していかれたまま、当院に来院されなくなりました。長年花粉症で辛い思いをされて、治療に対する意欲も強い方だったので大変残念で、どこかほかの病院で治療を継続されていることを祈るばかりです。

さてそれ以外の方々は、根気よくほぼ2週間おきに来院され、治療を続けておられます。実際に1シーズン花粉症の時期を過ごしてみて、効果が感じられたか診察の際に全員に伺ってみました。

その結果「いつもの年より症状が軽く感じた」という方が7名、「いつもと変わらなかった」は4名、そして「症状がひどかった」は0名でした。

服用に関しては「毎日欠かさず」という方が8名、「時々忘れる」(ちなみに私もここです)が3名で、皆さんかなり強い意志を持って治療に臨まれていることがわかります。

そして最も気になる副作用ですが、花粉飛散シーズンに発現するまたは悪化する可能性が指摘されていましたが、それと思われる副作用は幸い全員にみられませんでした。

花粉シーズンのピークが3月だとすると、治療を10月から始めて6か月しかたっておりませんので、作用機序(薬が効果を発揮する仕組み)からすると、まだ今シーズンには充分な効果が得られていないはずですが、これだけの方がすでに「改善している」と感じていることには驚きでした。

その年によって違う花粉の飛散量や(予報では今年は多いといわれておりましたが、当院の花粉症の方の患者数はほぼ例年並み~やや多い程度でした)、シーズン中にシダトレンと併用している抗アレルギーの内服薬や点眼の効果も考慮しなければいけませんので、客観的な比較はまだできません。「シダトレンを服用している」という暗示効果もあるかもしれません。ですが、たとえ暗示であっても「お、効果あるかも」と思われるほうが、この治療を続けていく意思を保ち続けることができますので、とても大切なことだと私は思います。

まだまだ効果を確認するまでは年月のかかる治療ですが、もう少し患者様が増えたら、例えば「服用を忘れず、治療を継続するのにどのような工夫をしていますか?」など、皆様にお聞きしてみた結果を改めてご紹介できればと思います。

ちなみに私は、「とにかく朝起きたら1番に服用する」を心がけています。ベッドから起き出したら顔を洗う前にまず真っ先に冷蔵庫に向かい、扉の裏の棚にあるシダトレンのパックを1つ取り出し、舌下に含んだまま髭をそり顔を洗い、寝ぐせを直しているうちにすぐに2分経ちますので飲み込むようにしています。それからお湯を沸かしお茶を入れ、着替えをしていると5分は経ちますので、そのあとお茶も飲めますし朝食も摂れるようになります。これが「舌下に維持2分、服用後5分はうがい・飲食禁止」のシダトレン服用ルールを守る私の生活パターンです。

このやり方の欠点は、休日などで生活パターンが変わってしまったときに、忘れがちになることです。「今日は寝坊ができる」などと油断した時には、起きてからもつい冷蔵庫の前を素通りし、いつもは飲まないコーヒーなどを入れてしまった時にはすっかりシダトレンの服用を忘れています。そんな時は昼間や夜間に思い出してあわてて服用することもありますし、結局飲み忘れてしまったことも数日ありました。やはり休日でも「朝1番に服用」の原則は守ったほうがよさそうです。

少し間が空きましたが、「舌下免疫療法」体験記の続報でした。現在続けている方、またこれから始めようとする方の参考になれば幸いです。これからも引き続きご報告していきたいと思います。

・当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記2→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」その後と体験記4→(クリックでリンク)

・今年の花粉症の傾向と対策&「舌下免疫療法」体験記5→(クリックでリンク)




by keye-clinic | 2015-07-03 19:53 | 花粉症と舌下免疫療法

今年の花粉症 傾向と対策   2015年 02月 26日

今年は2月23日の暖かくなった頃から花粉症が本格化しています。例年より始まりが早かったため、「初期療法」で対処する間もなく、症状が悪化している方が多いようです。

飛散量が昨年の2倍という予報通り、花粉症がひどかった一昨年と同じペースで、受診される方が増加しています。

特に症状がひどくなっているのが、子供たちです。今まで症状がなかった、あるいは軽かったお子さんも、かゆさに耐えきれずこすってしまうので、目の周りまで真っ赤に腫らして次々に来院されます。中には白目が水ぶくれのようになってしまうこともあります。

症状がひどくなると薬が効きづらくなり、子供でも大人が使うような強い薬を使わざるを得なくなりますし、それでも症状がよくならない場合もあります。

実は花粉症の目薬や内服は、あくまでも症状を「やわらげる」ためのもので「治す」ものではありません。

薬だけで花粉症に対処しようとするのは、例えるなら、たくさんの蚊がいるジャングルに、虫刺されの薬ひとつもってさまよっているようなものです。

症状を悪くしない花粉症対策の基本は、薬を使うことだけではなく、「花粉を避けること」です。

<ご家庭での対策=花粉を侵入させない>
・自宅の窓は開けないか、極力開けないようにする
・布団や洗濯物は外に干さない
・帰宅時には玄関に入る前に上着やズボンについた花粉を払い、入ったらすぐに脱ぐ
・帰宅後はできるだけすぐにシャワーや入浴、洗顔で花粉を洗い流す
・毎日、床には掃除機をかける

特にベッドや布団にまで花粉を持ち込んでしまうと、寝ているうちに目のかゆみ、鼻水、鼻づまりなどが悪化し、朝にはひどい症状になっていることが多いようです。

<外出時の対策=花粉を身につけないようにする>
・マスク、メガネ(ゴーグル)、花粉の付きにくい上着を着用する
・ファーやボアつきの上着、ウールのマフラーや帽子は着用しない
・目的地に着いたら花粉を払う。可能なら洗顔する
・不要な外出は避ける

すべて当たり前のことですが、いざ実践するには大変な労力を要することはわかります。しかしただ薬を使うだけよりも、確実に症状を抑える効果は上がります。また、ご家族のどなたかが花粉症なら、他の花粉症でないご家族も協力する必要があります。特にご自分が花粉症でないお母さんは事態の深刻さに気付かず、対処を怠っているためお子さんの症状が悪くなるケースを多く見受けます。

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ちなみにこの時期の私の出勤スタイルはこんな感じです。院内に入るときはブラシで花粉をできるだけ落とします。その時から入口の空気清浄機もフル活動です。当院ではさらに今シーズン掃除機を買い替えました。小型ですがパワフルに花粉を吸いこみます。院内の花粉を最小限に抑え、患者様が来院時にできるだけ不快な思いをされないようにしています。

症状が悪くなりがちな今年は特に、ご自分や大切なお子様のためにも、ぜひ実践してみることをお勧めいたします。そのうえで目薬や飲み薬を使うと、さらに効果的です。

その他詳細は下記の当院ホームページでもご確認いただけます。
花粉症対策について→(クリックでリンク


by keye-clinic | 2015-02-26 14:16 | 花粉症と舌下免疫療法

「舌下免疫療法」体験記2   2015年 02月 15日

当院で昨年10月より始めました舌下免疫療法の経過〝第2報″をご報告いたします。

既にお知らせしましたように、舌下免疫療法は花粉が飛散する時期には副作用が強く出る恐れがあるため、新規には始められません。製造元の鳥居薬品の規定で、期間に余裕をもって12月15日から4月30日の間は新規開始はできないことになっています。そのタイムリミットである昨年の12月15日までに当院で舌下免疫療法を始められた方は私も含めて計12名でした。これまでのところ途中棄権された方も0名です。

この療法は3年以上毎日服用しなければなりません。第1報でご報告しましたように、それを習慣化するまでの導入初期が一番大変ですが、それを過ぎると意外と毎日続けられるようになります。

習慣化を妨げる第2の山場は、年末年始でした。仕事もお休みで、大掃除などのし慣れない家事や子供の相手、夜更かしや朝寝坊、朝酒など生活リズムも変わりますので、ついシダトレンの内服を忘れがちになります。

ちなみに私自身は、年末年始休暇の間に飲み忘れが3回もありました。

ところが成績?が最も悪かったのは誰あろうこの私でした。当院で治療を受けている方々は大変優秀で、私以外の11名のうち1日飲み忘れた人が1人だけで、あとは全員パーフェクト達成だったそうです。みなさん、花粉症を治そうという意志がたいへん強く、今回その意気込みを改めてひしひしと感じました。 

さて、今年は花粉の飛散時期が早く、2月の第2週から本格化しています。興味深いのは、当院で舌下免疫療法をされているみなさん例外なく、今年の花粉症に何らかの効果を期待されていることです。残念ながらまだ開始して4か月あまり、もともと3年続けなければ充分な効果が得られない治療ですので、今年は「期待できません」ときっぱりと申し渡しています。

その代わり、この時期には花粉症の「初期療法」を舌下免疫療法と併用するようにお勧めしています。「初期療法」は、花粉症用の目薬や内服を症状の出ていない、あるいは軽い時期に始めることで、花粉症が本格化する時期の症状をより軽くすることができるものです。これはもちろん舌下免疫療法をしていない方にも有効ですので、当院に受診される花粉症の方全員にご案内しています。

患者の皆さんはこの時期になっても目立った副作用は出ていないようですが、私自身は最近シダトレンを服用した後、なんとなく口の中がいがらっぽくなる気がします。 今後花粉が飛ぶようになる時期に合わせ、シダトレンの副作用が今までより強く発現する可能性も指摘されています。次回は本格化した花粉症の時期をどのように過ごしたか、またご報告したいと思います。


「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3→(クリックでリンク)

舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)



by keye-clinic | 2015-02-15 21:57 | 花粉症と舌下免疫療法

「舌下免疫療法」体験記1   2014年 11月 18日

10月より当院で開始いたしましたスギ花粉症に対する新しい根治治療「舌下免疫療法(クリックで詳細へ)」ですが、これまで8名の方が希望され、治療を開始いたしました。

さて、私も重度の花粉症で、この療法が開始されたら自分も試してみるつもりだとかねてから予告しておりましたように、私もその8名に加わりました。開始して1か月経ちましたので、患者様の経過と、私自身の体験記をご報告いたします。

舌下免疫療法薬「シダトレン」の治療を受けるに当たって大きな問題となる点は2つ、「副作用」と「長期間継続すること」です。

「副作用」は同ブログ“当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって(→クリックでリンク)”でもお知らせしているように、命に関わる「アナフィラキシーショック」を起こす可能性が、ごくわずかながらにあるからです。また、軽い花粉症症状(くしゃみ、鼻水、目のかゆみ)や薬が接する口の中の粘膜の腫れ、かゆみは高い確率で起きることが知られています。

私の場合は、やはり副作用は出ました。始めてからしばらくの間は、口の中が何となく腫れているような、すっきりしない感じがありましたが、がまんできないことはなく、もちろん食べること、飲むこと、しゃべることに関してまったく影響はありませんでした。また、花粉症シーズンの走りによく出る症状なのですが、手がかさかさになったり、お腹が緩くなる症状も出ました。

この治療は、「スギ花粉に体を慣らす」のが目的ですから、むしろ軽い副作用が出ている方が「体が薬に反応している=効いてる?」という実感が持てて、むしろ継続するのに励みになります。

治療を開始された患者様では、口の中の違和感以外に、耳の中がかゆくなる、鼻がムズムズするなどの症状が出ている方もいましたが、思いのほか副作用が出ている方は少ない、という印象です。もちろん、アナフィラキシーショックやそれに準ずるような重篤な副作用が出ている方はいませんでした。

「シダトレン」のヨーロッパでの使用例、また国内での治験で、アナフィラキシーショックが起きる確率は「1億回に1回」といいますから、一般に広く使われている消炎鎮痛剤や抗生剤の内服で起こりうる激烈な副作用「スティーブンス・ジョンソン症候群」や「中毒性皮膚壊死症」などに比べても、ずっと少ないようです。
「スティーブンス・ジョンソン症候群」「中毒性皮膚壊死症」についてはこちら→クリックでリンク

ただ、来春の花粉が飛散する時期になると、体の薬に対する反応も変わってくるようで、この時期はより副作用が出やすくなるとのことですから、引き続き注意が必要です。


次に「長期間継続すること」に関してですが、これは最初の2週間が肝心のようです。

最初の1週間は、まず習慣付いていないので毎日忘れそうになるのを寝る前に思い出してあわてて内服することしばしば。専用のボトルに入った薬を1日目と2日目は1プッシュ、3日目と4日目は2プッシュ、5日目3プッシュ・・・と少しずつ増やしていくのですが、「今日は何回だったかなぁ…」と意外と忘れがちです。

そんな時に役立つのが薬を処方されるときにお渡ししている小冊子で、中はカレンダーになっており、日誌のように今日は何日目で何回プッシュで昨日までちゃんと飲んでいるかを自分で記入していくことができます。また、今はもっと便利なものがあり、スマートフォンで使える「舌下療法」専用のアプリがあり、日誌がつけられる以外に、決まった時間にセットしておくとアラームが鳴って飲み忘れないようにすることができたり、春には毎日の花粉飛散状況をお知らせしてくれます。

また、2週間目はさらに濃いお薬にボトルを変更し同じように使うのですが、私の場合そのタイミングで2泊3日の旅行が入ってしまい、苦労しました。まず、生活リズムが変わるのでつい忘れがちになります。また、この薬シダトレンは「要冷蔵」ですので、旅行中の持ち歩きでも常に「冷蔵」しておかなければいけません。そのため、日中は保冷剤を添えて持ち歩き、宿に着くとすぐに冷蔵庫に入れて、保冷剤も冷凍庫で再冷却(客室にない場合は宿の厨房の冷凍庫をお借りしなければいけません)してまた翌朝から使う、の繰り返しでした。2日目などは宿の冷蔵庫にあやうくシダトレンを忘れて帰りそうになり、チェックアウトしてからあわてて取りに戻る失敗もいたしました。

実際に鳥居薬品に問い合わせてみると、最初の1週間使うボトルは25℃(常温)で3か月、2週目のボトルと3週目以降使う使い切りパックは同温度で1週間は品質保持が可能とのことでした。そのため、そこまで厳密に「要冷蔵」を守らなくても、効果が落ちることはなさそうです。ただし、日中に車内に放置したり、直射日光のあたるところで25℃以上になってしまう場合はその限りではありません。

治療を開始された患者様で、今度カナダに出張に行く機会がある方がおられましたので、くれぐれもセキュリティでシダトレンを没収されないようにとお話しいたしました。昨今の厳しい機内持ち込み基準で大丈夫だったか、お帰りになったら是非お聞きしたいと思っております。

3週目に入ると、薬の形態が変わり、1日1パック使い切りタイプになります。そのころには常に同じ時間に服用する習慣もついています。服用前後2時間は、激しい運動、入浴、飲酒ができませんので、夜に服用するのはスケジュール的になかなか難しく、私はもっぱら起床時に服用しています。また、2週に1度薬の追加処方をしてもらうため、その時までに使い切るように消費することが、忘れずに服用する良い目標にもなっています。

患者様も何人か2回目、3回目の処方のために受診されていますが、みなさん毎日キッチリ服用しておられるようです。考えてみれば、自覚症状がない病気でも長期間薬を使い続けなければならない病気は、高血圧や糖尿病の内服や、緑内障の点眼などたくさんあります。ヨーロッパで3年後の脱落率が高かったからといって、日本でもそうとは限りません。「3年間継続するために強い意志を持って臨む必要がある」という私の考えは杞憂で、むしろ几帳面な方の多い日本人向きの治療法なのかもしれません。

以上、開始してから1か月半が経ちました「舌下免疫療法」のお薬「シダトレン」の使用感について、これまでの私の経験と患者様のご様子をまとめてみました。これから始めようとお考えの方の参考になりましたら幸いです。この「体験記」は、続報も随時掲載していく予定です。これからも引き続きお読みください。

・「舌下免疫療法」体験記2→(クリックでリンク)
・「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3→(クリックでリンク)


by keye-clinic | 2014-11-18 19:24 | 花粉症と舌下免疫療法

当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって   2014年 09月 23日

スギ花粉症に対する舌下免疫療法薬「シダトレン」の10月8日の発売を控え、いよいよ当院でも治療の受付を10月1日より開始いたします。

舌下免疫療法とは(→クリックでリンク)  まずはこちらを参考にお読みください

花粉症に毎年悩まされる多くの方にとって、否が応でも期待が高まる「舌下免疫療法」ですが、この治療を始めて、充分な効果を得られるようになるには、以下のような条件を満たすことと、治療に対する相当な覚悟と根気が必要ですので、予めお知らせいたします。長いですが、とても大切なことなので、治療をご希望の方はどうぞ最後までお読みください。ひどい花粉症症状のある私が実際に患者の立場で考えたとしても、この条件や、また治療を継続する意思を保つことは、正直なところかなり高いハードルだと感じております。

<治療を受けていただくのに必要な条件>
・間違いなくスギ花粉が原因の花粉症であること:スギ花粉症であるかの確認のために血液検査をいたします。スギ花粉に反応が弱い方や他のアレルギー物質にも反応の強い方は、治療が受けられない場合があります。

・毎日忘れずに、スケジュール通り3年間以上服用する強い意志をお持ちであること:安定した効果が確実に得られるためには、3年以上の服用が推奨されており、花粉が飛んでいない時期も毎日欠かさず服用が必要です。ちなみに海外の論文では1年継続できた人は44%、3年継続できた人は15%と、80%以上の方は途中で中断してしまっているそうです。また、3年以上服用しても、効果がない場合もありますし、うまく効果が得られても、終了した後に効果が弱くなることもあります。

・必ず2週間おきに受診し、その都度必要な量の薬の処方を受けること:新薬は発売後1年間(平成27年10月まで)は、1回に2週間分の薬しか処方してはいけない規則になっているためです。平成27年10月以降でも1か月に1度の受診が必要です。

比較的高頻度に、軽度の副作用(口の中やのどがはれたりかゆくなる、耳のかゆみなど)が出ることがあること、ごくまれにアナフィラキシーショックという、重篤な副作用が起きる可能性があることもご了承いただけること:現在のところ日本での治験や、ヨーロッパで同治療を受けられている患者様で、死亡した症例はないと報告されています。初回の服用は当院で行い、万が一アナフィラキシーショックが起きた場合も、隣の内科の先生と連携し適切な対処を行います。特に治療開始後1か月までとスギ花粉飛散期は副作用が出現する頻度が高いため、その期間のご自宅での服用の際は、ご家族など見守ってくださる方のそばで行うのが望ましいとされています。

アナフィラキシーショックとは(シダトレンを製造している鳥居薬品ではなく、ファイザー製薬のサイトが一番分かりやすいですので、ご参照ください→クリックでリンク

<治療を受けていただけない方>
下記の方は、当院では舌下免疫療法は受けられません

・12歳未満の方、65歳以上の方:現在このように規定されております。将来規制が緩和される可能性もあります。
・スギ花粉症でも目の症状がない方:当院は眼科ですので、目の症状のない方は治療効果の正確な判定ができませんので、原則としてお断りしております。    
・気管支ぜんそく、うつ病、悪性腫瘍(がん)、自己免疫疾患のある方
・妊娠中の方、授乳中の方
・妊娠される可能性のある方(治療途中で妊娠した場合、治療は中断します)
・ステロイド剤を服用されている方、あるいは皮膚の広範囲に塗布されている方
・高血圧や狭心症、心不全に対するお薬(β遮断薬)を服用されている方
いずれも治療効果や安全性、副作用に関連しての規制です。薬に関して不明な方、不安な方は、お薬手帳など服用中の薬の名前がわかるものをご持参いただき、ご相談ください。

<治療の注意点>
・12月中旬から4月いっぱいまで、新規の治療は開始できません:スギ花粉飛散期にはスギ花粉アレルゲン=シダトレンに対する過敏性が高まっている場合が多いため、この期間は開始できないことになっています。
・服用前後2時間は激しい運動、アルコール摂取、入浴は避けてください:血液循環が良くなることによって、副作用が強く出るのを防ぐためです。
・シダトレンは冷所保存が必要です:気温の高い時期にお出かけになる場合は、保冷バックに入れて携帯する必要があります。海外出張のある方は、セキュリティを通過するのにも工夫が必要になりそうです。(※追記:実際に鳥居薬品に問い合わせてみると、最初の1週間使うボトルは25℃(常温)で3か月、2週目のボトルと3週目以降使う使い切りパックは同温度で1週間は品質保持が可能とのことでした。そのため、そこまで厳密に「要冷蔵」を守らなくても、効果が落ちることはないと思われます。ただし、日中に車内に放置したり、直射日光のあたるところで25℃以上になってしまう場合はその限りではありません。)


以上、充分な治療効果を得るための条件、期間などのハードルがかなり高いことはご理解いただけたことと思います。耳鼻科や眼科の多くのクリニックで、この高いハードルが障害になって治療を開始することをためらっていると聞いています。治療方法を選択する際に、医師が適切なものを選択することは大切なことですが、受けていただける治療法が存在する以上、それを初めから制限してしまうのは私は好ましくないと考えています。条件が厳しくても患者様が望むものであれば、それをご提供できる体制を整えておくことが、クリニックの使命と考えます。私自身も花粉症であるがゆえに、患者様の辛さも理解しているつもりです。つらい花粉症が治る可能性があるのなら、これらの条件があろうともぜひこの治療法を受けてみたい、とお考えの方は、どうぞご来院ください。

<当院での舌下免疫療法の流れについて>
それでは当院で実際に舌下免疫療法を受けていただく際の具体的な受診の流れについてご説明いたします。10月1日(水)より診療を開始いたします。

①1回目受診:アレルギー症状がスギ花粉症であることを確認いたします。まずは普通にご来院いただき(ご予約は不要ですが、午前は11時30分、午後は6時までの受付です)、受付で舌下免疫療法をご希望される旨をお申し出ください。当日は問診と診察、アレルギー診断の血液検査をいたします。指先から少量の血液を採取し、30分ほどで結果が出ます。過去に同様の検査を受けたことのある方でも、確認のために必ず行います。スギ花粉症であることを確認できましたら、次回の受診の予約をお取りいたします。

②2回目受診:予約をお取りになった日時にご来院ください。実際の治療について詳しくご説明し、ご理解いただけたことを確認した上で、治療の同意書にご署名いただきます。治療薬「シダトレン」の処方箋をお渡しいたしますので、近隣の薬局でお受け取りになられたら、再度クリニックへお戻りください。診察室で実際に薬剤を滴下したあと、副作用が出ないか30分ほどクリニックの待合室で経過を観察いたします。特に目立った副作用が出なければご帰宅いただき、翌日からはご自宅でスケジュール通りに服用していただきます。

③3回目受診以降:シダトレンは当面の間、1回の処方で2週間分しかお出しできません。そのため、3回目受診以降は、2週間おきに受診していただき、予定通り服用できているか、副作用の出現がないかを確認した上で、次の2週間分のお薬を処方いたします。

以上が当院の診療の流れです。私もスタッフも、皆様にスムーズに診療を受けていただけるよう万全を期して臨むつもりですが、何分にも初めての治療ですので、初めのうちは手探りの部分もございます。不手際がないとも限りませんが、少なくともご受診いただく皆様にご迷惑をおかけしないように心がけます。なにとぞよろしくお願いいたします。

<追記>
私自身も服用を開始しました。治療を開始して1か月余りの体験記と、実際に治療を受けておられる患者様のご様子をまとめましたので、こちらもご参照ください → 「舌下免疫療法」体験記(クリックでリンク)


さらにその続報です
「舌下免疫療法」体験記2(クリックでリンク)
「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3(クリックでリンク)
「舌下免疫療法」その後と体験記4→(クリックでリンク)





by keye-clinic | 2014-09-23 21:25 | 花粉症と舌下免疫療法

舌下免疫療法薬の発売延期   2014年 04月 08日

前回の「舌下免疫療法」のブログから約2か月、大変残念なお知らせです。

6月に発売予定だった舌下免疫療法に使用するお薬「シダトレン」の発売が延期になりました。

当院では発売に合わせて治療が開始できるように準備を進めていた矢先でしたので、本当にがっかりしました。

国民病と言ってもよいスギ花粉症治療に、有用性も安全性も高いと思われるこの薬が、来年の花粉症の時期を見据えた6月と言うタイミングに出せないのは、患者の皆様にとっても治療に当たる我々にとっても大変な痛手です。

以下、発売元の鳥居薬品のホームページからの抜粋です。

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鳥居薬品株式会社(本社:東京、社長:髙木正一郎、以下「鳥居薬品」)は、スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン®スギ花粉舌下液」(以下、「シダトレン®」)について、2014年1月17日、「スギ花粉症(減感作療法)」の効能・効果で製造販売承認を取得し、4月または5月の薬価収載に向けて対応してまいりましたが、今般、5月までの薬価収載を見送ることとしました。10月以降の発売に向けて努力を続けてまいります。なお、これに伴う当期(2014年3月期)の業績への影響はありません。
 鳥居薬品は、シダトレン®がスギ花粉症治療の新たな選択肢として貢献できることを期待しており、早期発売へ向けた努力を続けてまいります。
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製薬メーカーの、新薬発売までのプロセスの詳細は、医師の私にはわかりません。これまでの経緯をみると、鳥居薬品はこの薬を世に出すことに、大変前向きに、真摯に取り組んできたようには思いますが、残念ながらこれでは説明不足の感が否めません。

最近ではテレビなどにもさかんに取り上げられ世間の注目を集めていた矢先だったにもかかわらず、マスコミによる今回の発売延期の報道や、なぜそうなってしまったのか検証する報道がほとんどないことも腑に落ちません。

花粉症治療に当たる医師として、そして私自身花粉症患者として、これ以上滞ることなく発売されることを切に望みます。そして当院では引き続き、発売と同時に治療を始められるよう、準備を継続していく所存です。詳細につきましては、このブログや、当院のfacebook(リンクはここをクリック)、お知らせメール(当院ホームページからご登録ください)などで随時告知していく予定です。


by keye-clinic | 2014-04-08 14:14 | 花粉症と舌下免疫療法
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東戸塚駅西口すぐにある片桐眼科クリニックの院長ブログです。


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