「舌下免疫療法」その後と体験記4   2015年 12月 06日

7月以降、ブログを更新できないまま、いつの間にか12月になってしまっておりました。患者様への情報発信を目的としたこのブログの意義を果たせませんでしたこと、大変申し訳ございませんでした。

実はブログが更新されない間も、着々と舌下免疫療法の新規希望の患者様は増えておりまして、12月5日の時点で当院で治療を受けておられる方は35名となりました。

10月からは新薬に適応される「1回の受診で2週間分」の処方制限も解除され、現在では1度に1か月分の処方が可能になりました。そのため、今まで2週間おきに必要だった受診も1か月おきになり、患者様の負担も軽減されましたので、新たに治療を開始継続するハードルも下がったのではないでしょうか(ただし、初回と2回目の処方に関しましては、副作用出現の有無を確認するため今も2週間分の処方になっています)。

治療を開始したのち、残念ながら治療を中断された方は今のところ2名で、お1人は通院されなくなってしまった方、もうお1人はシダトレンの副作用が疑われる体の湿疹が原因でドクターストップになってしまった方です。

それ以外の方々は順調に治療を続けておられるご様子で、目立った副作用もなく、飲み忘れなども私が思っていたよりずっと少ないようです。月末に我が家の冷蔵庫に残っているシダトレンの数を数えると、今まで積みあがった飲み忘れは、おそらく誰よりも私が一番多いのではないかと思うくらいです。

昨年10月の舌下免疫療法開始のころから始めておられる方は、治療を継続して丸1年になりました。今度のシーズンまでにはほぼ1年半続けていることになりますので、私も含めてそろそろ何らかの効果が出てくることを期待しています。日本気象協会から発表された来年の花粉の飛散量予想は例年並み~やや多いとのことでした。今年は花粉の飛散量が比較的少なかったので効果を判定するのがやや難しかったですが、来年はどうでしょうか。

なお、以前の記事(→クリックでリンク)にもありますように、舌下免疫療法の新規開始の受付は12月中旬で一旦休止いたします。今年は内服開始の予約受診日を12月15日で締め切らせていただきますので、今年のうちに開始をご希望の方は、予約が可能かまずはクリニックまでお問い合わせください。

・当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記2→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3→(クリックでリンク)

・今年の花粉症の傾向と対策&「舌下免疫療法」体験記5→(クリックでリンク)




# by keye-clinic | 2015-12-06 17:51 | 花粉症と舌下免疫療法

「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3   2015年 07月 03日

スギ花粉シーズン中は見合わせておりました(理由はこちら→クリックでリンク <治療の注意点>をお読みください)舌下免疫療法の新規開始希望の患者様の受付を5月より再開いたしました。

これまで新たに9人の方が加わり、当院で治療を受けている方は21名となりました。今回新規の方の中には「親子4人全員」で始められたご家族もおられます。孤独に、そして地道に続けなければいけないこの治療ですが、ご家族でお互いに励ましあって続けることで、皆さん揃って3年後には花粉症の辛い症状から開放される、なんてことも期待できます。

一方、昨年10月からいち早く始めた12名の方々(私も含め)の続報もお知らせしましょう。

その中で、残念ながらここにきて継続来院されなくなった方が1名おられました。シダトレンは、現在では2週間おきに、必ず診察を受けなければ処方できないルールになっているのですが、その方は一度混んでいる時間帯にご来院され、すぐに診察を受けられないため「また来るから今日はいいや」と言い残していかれたまま、当院に来院されなくなりました。長年花粉症で辛い思いをされて、治療に対する意欲も強い方だったので大変残念で、どこかほかの病院で治療を継続されていることを祈るばかりです。

さてそれ以外の方々は、根気よくほぼ2週間おきに来院され、治療を続けておられます。実際に1シーズン花粉症の時期を過ごしてみて、効果が感じられたか診察の際に全員に伺ってみました。

その結果「いつもの年より症状が軽く感じた」という方が7名、「いつもと変わらなかった」は4名、そして「症状がひどかった」は0名でした。

服用に関しては「毎日欠かさず」という方が8名、「時々忘れる」(ちなみに私もここです)が3名で、皆さんかなり強い意志を持って治療に臨まれていることがわかります。

そして最も気になる副作用ですが、花粉飛散シーズンに発現するまたは悪化する可能性が指摘されていましたが、それと思われる副作用は幸い全員にみられませんでした。

花粉シーズンのピークが3月だとすると、治療を10月から始めて6か月しかたっておりませんので、作用機序(薬が効果を発揮する仕組み)からすると、まだ今シーズンには充分な効果が得られていないはずですが、これだけの方がすでに「改善している」と感じていることには驚きでした。

その年によって違う花粉の飛散量や(予報では今年は多いといわれておりましたが、当院の花粉症の方の患者数はほぼ例年並み~やや多い程度でした)、シーズン中にシダトレンと併用している抗アレルギーの内服薬や点眼の効果も考慮しなければいけませんので、客観的な比較はまだできません。「シダトレンを服用している」という暗示効果もあるかもしれません。ですが、たとえ暗示であっても「お、効果あるかも」と思われるほうが、この治療を続けていく意思を保ち続けることができますので、とても大切なことだと私は思います。

まだまだ効果を確認するまでは年月のかかる治療ですが、もう少し患者様が増えたら、例えば「服用を忘れず、治療を継続するのにどのような工夫をしていますか?」など、皆様にお聞きしてみた結果を改めてご紹介できればと思います。

ちなみに私は、「とにかく朝起きたら1番に服用する」を心がけています。ベッドから起き出したら顔を洗う前にまず真っ先に冷蔵庫に向かい、扉の裏の棚にあるシダトレンのパックを1つ取り出し、舌下に含んだまま髭をそり顔を洗い、寝ぐせを直しているうちにすぐに2分経ちますので飲み込むようにしています。それからお湯を沸かしお茶を入れ、着替えをしていると5分は経ちますので、そのあとお茶も飲めますし朝食も摂れるようになります。これが「舌下に維持2分、服用後5分はうがい・飲食禁止」のシダトレン服用ルールを守る私の生活パターンです。

このやり方の欠点は、休日などで生活パターンが変わってしまったときに、忘れがちになることです。「今日は寝坊ができる」などと油断した時には、起きてからもつい冷蔵庫の前を素通りし、いつもは飲まないコーヒーなどを入れてしまった時にはすっかりシダトレンの服用を忘れています。そんな時は昼間や夜間に思い出してあわてて服用することもありますし、結局飲み忘れてしまったことも数日ありました。やはり休日でも「朝1番に服用」の原則は守ったほうがよさそうです。

少し間が空きましたが、「舌下免疫療法」体験記の続報でした。現在続けている方、またこれから始めようとする方の参考になれば幸いです。これからも引き続きご報告していきたいと思います。

・当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」体験記2→(クリックでリンク)

・「舌下免疫療法」その後と体験記4→(クリックでリンク)

・今年の花粉症の傾向と対策&「舌下免疫療法」体験記5→(クリックでリンク)




# by keye-clinic | 2015-07-03 19:53 | 花粉症と舌下免疫療法

ロービジョン体験   2015年 04月 11日

今回は当院スタッフの、勤務時間以外での取り組みについてご紹介いたします。

2か月に1度、昼休みを利用して勉強会を開き、目の病気の知識を増やしたり、普段の業務ではできない実務経験を積んだりしています。

直近では、ロービジョン体験を行いました。

ロービジョンとは、失明には至らないものの、病気やけがなど様々な原因で視力が低下したり視野が狭くなったりして、メガネやコンタクトレンズを使っても見え方が改善しない状態のことを言います。具体的な視力の数字の規定はありませんが、矯正視力(メガネで最高視力を出した時の視力)が0.3に満たないと生活にはかなりの不自由を強いられることになりますし、両眼での視野の80%以上が見えなくなっても同様です。

昔は治療ができず失明していた重い病気が、医学の発展とともに失明は食い止められるようになったものの、視力や視野が完全に治らないこともあり、実はロービジョンの方は昔よりもむしろ増えているのが現状です。

今回「社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター」(クリックでリンク) が販売している「ロービジョン体験キット」を使用して、「白内障によるかすみ目、視力低下」「緑内障による視野狭窄」「黄斑変性症による中心暗点」の3つを実際に体験してみました。

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これが体験キットですが、どのメガネがどの病気のものか、お分かりでしょうか?向かって左がうすく白濁したアクリル板越しにみる「白内障」、視界の中心だけ隠れてしまう「黄斑変性症」が真ん中、右は片目だけ先のすぼまった筒の先端に小さな穴が開いていて、中心は見えるけれど周囲は見えない「緑内障」の疑似体験ができます。

実際にこれらのキットをかけて、院内を歩いてみて、視力検査もしてみました。
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白内障用キットは、かけた人を外から見ると目がはっきり透けて見えますので、さほど見づらくはないのかと思いましたが、視力を測ってみると0.05(視力検査表の一番上の0.1の指標さえも見えない状態)でした。全体に白くかすんでいて、2mも離れてしまうと向かい合っていても相手が誰だか全く分かりません。これでは実際に外で知り合いとすれ違っても、挨拶すらできないことでしょう。

黄斑変性症キットでは、周囲は見えているのですが、まさに見ようとしている肝心な部分だけが見えず、非常に不快な思いをします。院内の移動は障害物などが確認できるので問題ないのですが、指標は見えませんので視力検査はできませんし、文字などは到底読めません。

反対に緑内障キットでは、真ん中は見えているので視力は良いのですが、周囲が見えないので大変不安な思いをします。特に院内の移動では、人や椅子、壁などの障害物がどこにあるか分からず、院内の配置が分かっているスタッフでさえ移動は誰かの誘導がないとおぼつかない状態でした。

今回は昼休みが時間切れで、実際に体験キットをかけたスタッフを患者さんに見立てどのように案内、誘導するかなどの対応の練習は後日改めてになってしまいましたが、これらの経験をふまえ、日頃の診療でも目の不自由な方の気持ちになって、少しでも寄り添うことができれば、と思う、貴重な体験でした。


# by keye-clinic | 2015-04-11 14:13 | 出来事

今年の花粉症 傾向と対策   2015年 02月 26日

今年は2月23日の暖かくなった頃から花粉症が本格化しています。例年より始まりが早かったため、「初期療法」で対処する間もなく、症状が悪化している方が多いようです。

飛散量が昨年の2倍という予報通り、花粉症がひどかった一昨年と同じペースで、受診される方が増加しています。

特に症状がひどくなっているのが、子供たちです。今まで症状がなかった、あるいは軽かったお子さんも、かゆさに耐えきれずこすってしまうので、目の周りまで真っ赤に腫らして次々に来院されます。中には白目が水ぶくれのようになってしまうこともあります。

症状がひどくなると薬が効きづらくなり、子供でも大人が使うような強い薬を使わざるを得なくなりますし、それでも症状がよくならない場合もあります。

実は花粉症の目薬や内服は、あくまでも症状を「やわらげる」ためのもので「治す」ものではありません。

薬だけで花粉症に対処しようとするのは、例えるなら、たくさんの蚊がいるジャングルに、虫刺されの薬ひとつもってさまよっているようなものです。

症状を悪くしない花粉症対策の基本は、薬を使うことだけではなく、「花粉を避けること」です。

<ご家庭での対策=花粉を侵入させない>
・自宅の窓は開けないか、極力開けないようにする
・布団や洗濯物は外に干さない
・帰宅時には玄関に入る前に上着やズボンについた花粉を払い、入ったらすぐに脱ぐ
・帰宅後はできるだけすぐにシャワーや入浴、洗顔で花粉を洗い流す
・毎日、床には掃除機をかける

特にベッドや布団にまで花粉を持ち込んでしまうと、寝ているうちに目のかゆみ、鼻水、鼻づまりなどが悪化し、朝にはひどい症状になっていることが多いようです。

<外出時の対策=花粉を身につけないようにする>
・マスク、メガネ(ゴーグル)、花粉の付きにくい上着を着用する
・ファーやボアつきの上着、ウールのマフラーや帽子は着用しない
・目的地に着いたら花粉を払う。可能なら洗顔する
・不要な外出は避ける

すべて当たり前のことですが、いざ実践するには大変な労力を要することはわかります。しかしただ薬を使うだけよりも、確実に症状を抑える効果は上がります。また、ご家族のどなたかが花粉症なら、他の花粉症でないご家族も協力する必要があります。特にご自分が花粉症でないお母さんは事態の深刻さに気付かず、対処を怠っているためお子さんの症状が悪くなるケースを多く見受けます。

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ちなみにこの時期の私の出勤スタイルはこんな感じです。院内に入るときはブラシで花粉をできるだけ落とします。その時から入口の空気清浄機もフル活動です。当院ではさらに今シーズン掃除機を買い替えました。小型ですがパワフルに花粉を吸いこみます。院内の花粉を最小限に抑え、患者様が来院時にできるだけ不快な思いをされないようにしています。

症状が悪くなりがちな今年は特に、ご自分や大切なお子様のためにも、ぜひ実践してみることをお勧めいたします。そのうえで目薬や飲み薬を使うと、さらに効果的です。

その他詳細は下記の当院ホームページでもご確認いただけます。
花粉症対策について→(クリックでリンク


# by keye-clinic | 2015-02-26 14:16 | 花粉症と舌下免疫療法

「舌下免疫療法」体験記2   2015年 02月 15日

当院で昨年10月より始めました舌下免疫療法の経過〝第2報″をご報告いたします。

既にお知らせしましたように、舌下免疫療法は花粉が飛散する時期には副作用が強く出る恐れがあるため、新規には始められません。製造元の鳥居薬品の規定で、期間に余裕をもって12月15日から4月30日の間は新規開始はできないことになっています。そのタイムリミットである昨年の12月15日までに当院で舌下免疫療法を始められた方は私も含めて計12名でした。これまでのところ途中棄権された方も0名です。

この療法は3年以上毎日服用しなければなりません。第1報でご報告しましたように、それを習慣化するまでの導入初期が一番大変ですが、それを過ぎると意外と毎日続けられるようになります。

習慣化を妨げる第2の山場は、年末年始でした。仕事もお休みで、大掃除などのし慣れない家事や子供の相手、夜更かしや朝寝坊、朝酒など生活リズムも変わりますので、ついシダトレンの内服を忘れがちになります。

ちなみに私自身は、年末年始休暇の間に飲み忘れが3回もありました。

ところが成績?が最も悪かったのは誰あろうこの私でした。当院で治療を受けている方々は大変優秀で、私以外の11名のうち1日飲み忘れた人が1人だけで、あとは全員パーフェクト達成だったそうです。みなさん、花粉症を治そうという意志がたいへん強く、今回その意気込みを改めてひしひしと感じました。 

さて、今年は花粉の飛散時期が早く、2月の第2週から本格化しています。興味深いのは、当院で舌下免疫療法をされているみなさん例外なく、今年の花粉症に何らかの効果を期待されていることです。残念ながらまだ開始して4か月あまり、もともと3年続けなければ充分な効果が得られない治療ですので、今年は「期待できません」ときっぱりと申し渡しています。

その代わり、この時期には花粉症の「初期療法」を舌下免疫療法と併用するようにお勧めしています。「初期療法」は、花粉症用の目薬や内服を症状の出ていない、あるいは軽い時期に始めることで、花粉症が本格化する時期の症状をより軽くすることができるものです。これはもちろん舌下免疫療法をしていない方にも有効ですので、当院に受診される花粉症の方全員にご案内しています。

患者の皆さんはこの時期になっても目立った副作用は出ていないようですが、私自身は最近シダトレンを服用した後、なんとなく口の中がいがらっぽくなる気がします。 今後花粉が飛ぶようになる時期に合わせ、シダトレンの副作用が今までより強く発現する可能性も指摘されています。次回は本格化した花粉症の時期をどのように過ごしたか、またご報告したいと思います。


「舌下免疫療法」新規受付再開と体験記3→(クリックでリンク)

舌下免疫療法」体験記1→(クリックでリンク)

当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって→(クリックでリンク)



# by keye-clinic | 2015-02-15 21:57 | 花粉症と舌下免疫療法
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東戸塚駅西口すぐにある片桐眼科クリニックの院長ブログです。


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