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2016年花粉症日記(「舌下免疫療法」体験記6)   2016年 04月 23日

2月15日(月) 週末暖かくなって、花粉症の症状を感じ始めた方がぼちぼち増えてきました。都内でもスギ花粉の飛散始まるとのニュースが。今年は早いといわれていた花粉の飛散時期でしたが、ほぼ例年並みのスタート。

2月19日(土) 今週は寒さがぶり返したせいか、週末になっても花粉症の患者さんは思いのほか増えていません。今日も雨模様で花粉が舞わないため、花粉症の方にとってはうれしい週末です。

2月27日(土) 今日は天気が良かったので、私自身が屋外でしばらくの間、活動する機会がありました。その時、油断してマスクもゴーグルもしなかったところ、夕方にはさすがに症状が悪化しました。なぜ油断したかというと、今までになく花粉症の症状が軽く、開始1年半を迎えた「舌下免疫療法」の効果を実感しているように思ったからで、効果のほどをさらに試してみたいという気持ちもあったからです。「症状が悪化した」といっても、目の異物感少々とくしゃみ3連発、鼻を数回かんだくらいで、夜にはスッキリ、鼻が詰まって眠れないなどの症状はありませんでした。これは…効いているかも、です。

2月29日(月) 今日はうるう日。週末天気が良かったせいか、本日ご来院の方の半分くらいは花粉症の方でした。そんな中でも目立つのは、花粉症の子供の低年齢化。当院に受診して花粉症と思われる症状のお子さんの最年少はなんと2歳0か月!3歳過ぎのお子さんなどは当たり前のように何人も花粉症の症状で受診されます。スギ花粉に触れることでその体質を獲得する花粉症ですので、まったく早すぎる印象ですが、それが現実です。特にご自分が花粉症ではない親御さんは、花粉症を比較的軽視しており、お子さんの症状がひどくなっている可哀想なケースが見受けられます。当院のホームページ「花粉症対策について」→http://www.k-eye.jp/kahun/index.html(クリックでリンク)を参考に、薬だけに頼らずご家庭でもぜひ対処する工夫をしていただきたいと思います。

3月2日(水) 週明けから連日大勢の方が来院されていて、花粉症の本格化を実感します。それでも患者様各自を診察すると、充血やまぶたの裏の腫れなど、自覚症状のわりには所見は悪くなっていません。そのため例年よりもやや弱いお薬でも対処できる方が多いように思われます。実は今年の花粉の勢いは、例年より弱いのでは…。そうすると、私が感じている「舌下免疫療法」の効果も、実は花粉が少ないから…?

3月5日(土) 普段この時期は車で通勤(花粉から身を守るシェルター替わりです)の私ですが、訳あって今日はバス&電車通勤。マスクはしているものの、またも色気を出して?例年なら必ずするゴーグルをせずに、どの程度症状が悪化するか試してみました。その結果、特に症状を感じることなくクリニックに無事に到着しました。それでも、付着した花粉によるものか顔は何となくかゆくなったので、洗面所で洗顔だけはして診察に臨みました。やっぱり「舌下免疫療法」効いている様子です!

3月7日(月) 本日は大雨。にもかかわらず、大勢の方がご来院されました。夜遅くに帰宅する際に、ビルのエレベーターで当院隣のおおくぼ総合内科クリニックの大久保辰雄院長にお会いしたところ、先生も花粉用のゴーグルをかけておられました。「今年は目の症状がひどいんですよ」とのことでしたので、ぜひ「舌下免疫療法」を受けられるようお勧めしました(笑)。

3月12日(土) 住まいの近所の仲良し家族と連れ立って、「神奈川県立・生命の星、地球博物館」に子供連れで行ってまいりました。小田原といいつつほぼ箱根に位置するこの博物館にこの時期行くということは、スギの密林に自ら足を踏み入れるということです。例えるなら、幾千もの敵が待ち構える場所に自分一騎で切り込みをかける武士さながらの無謀な行動ですが、「舌下免疫療法」という心強い味方を得た私が試みてみたい戦術の一つでもありました。奇しくもこの博物館がある場所は、かつて一夜城を築いた豊臣氏と小田原城の北条氏が対峙した戦場だったところ。博物館の展示もすばらしかったですが、予想通り駐車場の周りには見渡す限り、黄色く色づいた花粉をたたえたスギの林が…。こちらも「舌下免疫療法」が後ろ盾にいますから、強気にゴーグルなし(マスクはしておりました)で臨んだところ…さほど目の症状、鼻の症状とも現れず、無事に温泉にも入って帰ってまいりました。ここにきて、益々「舌下免疫療法」の効果を確信するにいたっています。

3月14日(月) 花粉症の時期になってから、月曜日のたびに雨が降ります。今日も大雨。その影響か、さほど花粉症の患者様が増えることなく、平穏に1日が終わりました。明日は晴れの予報。花粉症のさらなる本格化は明日以降から?

3月16日(水) やはり予想通り、昨日より晴れて気温も高くなったので、症状がひどくなって来院される患者様が増えました。「今までそうでもなかったから受診しなかった」という方も多く見受けられました。3月も後半になって、花粉症が本格化する兆しなのでしょうか、それとも今年はこのまま終息するのでしょうか…。そうなると、「舌下免疫療法」の効果の正確な評価も難しい…。気になるところです。

3月22日(火) 連休明けの平日。例年なら休日に外出して症状が悪化してしまった方の受診が増える日なので、今日我々は気合を入れて準備をしておりました。ところが、受診される患者様はさほど増えることなく普段の平日と変わらないくらいで、ちょっと肩透かし。病院に来る方が少ないということは、世の中平和だということ=花粉症で苦しむ患者様が少ないということですから、大変喜ばしいことなのですが、すると益々「舌下免疫療法」の効果の評価が難しくなり、私としてはちょっと悩ましいところです。

3月28日(月) 今日、院長室から川上北小学校越しに見える土手の桜が綺麗に咲き始めました。昨日、家の近くの公園で子供を遊ばせたときも、たくさんのふくよかな蕾のいくつかがほころんでおりました。春ですねぇ。でも花粉症の人にとって、例年まだまだ憂鬱なこの季節、花見どころではありません。私も花粉症になってまもなく、花見に出かけたことがありました。その頃はまだ花粉用ゴーグルやマスクなど世の中になかった頃でしたので、マスクから漏れる息で半分曇っている伊達メガネの私と、その頃は花粉症ではなかった結婚前の妻とが写っているさえない写真が今も残っていて、お互いそれを見ては笑っています。でも今年は様相が違うようです。私は昨日公園では暑くて花粉除けの上着もマスクも取って遊んでいましたが、なんと花粉症の症状はほとんどでませんでした。舌下免疫療法の効果でしょう。そして花粉の勢い自体ももうすでに弱まっているようで、受診される方も症状の軽い方が多い印象です。月曜日の度になど、良いタイミングで雨が降り(昨日から今朝も雨でした)、花粉が大量に飛ぶ前に流されているのかもしれません。みなさん、今年は久しぶりに、心からお花見が楽しめるかもしれませんよ。

4月6日(水) 昨日は小学校、今日と明日は中学と高校の入学式。満開の桜がみなさんを祝福しているようです。今年は予想通り、スギ花粉症は早々に終息してきているようで、みなさん無事にお花見も楽しまれたご様子。ところがここに来て、思わぬ逆襲を受けています。今日は花曇りでしたが風が強く、外から室内に入るとくしゃみが連発し、鼻水がたら~り(英語ではrunning noseといいます)、眼もかゆくなりました。その原因はどうも「ヒノキ花粉症」のようです。ヒノキの花粉はスギの花粉と非常に似通っており、スギに対してアレルギーのある方の約70%がヒノキにも反応すると言われています。ヒノキの花粉が飛ぶのは4月初めから5月下旬頃。今まさに始まっているのです。そして私にとっても残念なことですが、肝心の舌下免疫療法は「スギ花粉症」が対象なので、ヒノキには効果がない可能性があるのです。そのため、スギに遅れて飛んできたヒノキの花粉が原因で、今年あまり感じなかったくしゃみ、鼻水、目のかゆみが出ているようなのです。舌下免疫療法は似ているヒノキにも効果があるかも、と密かに期待していたのですが、どうやら期待外れかもしれません。今後の症状をもう少し様子をみて、またご報告したいと思います。

4月21日(金) シダトレンを継続して1年弱の方が、本日花粉症症状が再び悪くなって受診されました。3月中はほとんど症状がなかったのに、4月に入り鼻がムズムズし始め、ついにこの1週間ほどでひどい目のかゆみと充血、そして鼻水やくしゃみなどの鼻の症状も悪くなったとのことでした。そのうえ本日はオートバイで来院され、たっぷり風を顔に受けてきたので、症状は今年受診された花粉症の患者様の誰よりも悪いほどの状態でした。前回の日記で私が指摘したように、今回の悪化もヒノキ花粉の仕業でしょう。図らずも、患者さんの症状で「シダトレンはスギ花粉には有効だがヒノキの花粉には効果がない」可能性が示されました。もちろん全例がそうとは限りませんので、今後もシダトレンを服用している方全員の、慎重な経過観察を続けてまいります。

さて、本日シダトレンを製造している製薬メーカーである鳥居薬品の方が来院されて、「昨日スギ花粉の終息宣言が出されました」と教えてくださいました。そのため、2016年の「花粉症日記」は本日でひとまず終了といたします。今年の傾向としてはやはり「症状の軽い方が多かった」ということでしょう。中には「今年は目の症状がひどい」と訴える方も何名かおられましたが、例年より症状が悪くならずに済んでいる方が圧倒的に多かったです。さしずめ、例年通り蓄積されたスギ花粉でしたが、飛び出す直前にタイミングよく雨が降ることが多く、空気中に飛散する前に花粉が流されてしまった、といったところだったのではないかと予想しています。

スギ花粉が終息したことで、当院でも予定通り5月(連休明けからになりますが)より、舌下免疫療法の新規受付を開始いたします。治療をご希望の方は、下記ブログをお読みの上、ご来院ください。
→当院で「舌下免疫療法」を受けていただくにあたって」(クリックでリンク)

また、現在舌下免疫療法を受けておられる患者様に、今年の花粉症の時期を振り返って、効果はどうであったかアンケートを実施する予定です。結果がまとまりましたら、6月頃このブログで発表いたしますので、どうぞご覧ください。



by keye-clinic | 2016-04-23 21:52 | 花粉症と舌下免疫療法
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東戸塚駅西口すぐにある片桐眼科クリニックの院長ブログです。


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